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子供と本をつなぐ場所。愛知・犬山『どんぐり文庫』が昔ながらのほっこり空間

画像:大橋麻美子

みなさんは“文庫”の意味をご存知ですか? “家庭文庫”と“地域文庫”の2つに大きく分かれており、家庭文庫というのは個人が自宅を開放して、所有の児童図書を貸し出す場所です。絵本サロンのようなイメージでしょうか。

1950年代ごろに盛んだったそうで、図書館がないころは地域文庫や家庭文庫が多かったそうです。

小さい図書館のようなイメージですが、違う役割もあります。特に文庫を名乗ることにこれといった決まりはなく、本の貸し出しだけをするところもあれば、子どもが宿題をすることができたり、おやつ一緒に食べたり、子ども食堂に共通するところもあるんですよ。

そんな文庫を今なおご自宅で開放している、愛知県犬山市の『どんぐり文庫』に行ってきましたのでご紹介します!

 

■本と子どもをつなぐ『どんぐり文庫』

愛知県犬山市『どんぐり文庫』

画像:大橋麻美子

こちらが『どんぐり文庫』です。主宰する古川よし子さん(73歳)はこの春、長年にわたる子どもの読書を推進する活動が認められ、文部科学大臣表彰を受けられました。

もともと古川さんは、昭和51年から住んでいた関東で読み聞かせをしており、本と子どもをつなぐ活動をしていました。また、ご自身のお父様が国語の教師という影響もあり、自身の幼少期から本に困らない環境で成長していくなかで、いつか“文庫がやりたい”という夢をもっていたそう。

また、母親として2人の子どもの育児に悩んでいた時期には本に救われたという経験もあったんだとか。そんな経験もあって、子どもたちやその親、地域に貢献したいと『どんぐり文庫』を設立しました。

平成4年に始めたときには2,400冊だった本が、今では1万5,000冊に! 毎年買い足していき、すべて古川さんが目を通したものを本棚にぎっしり並べてあります。これらを会員の方に、冊数無制限で貸し出しています。

『どんぐり文庫』の年会費は800円。このうち、クリスマスには1人1人にぴったりの本をプレゼントしているそう。

また、すべての本のうち100冊ほどはユニセフからの寄付ですが、その他はすべて自前です。経営は赤字ですが、学校や図書館で読み聞かせ会は続けており、『どんぐり文庫』を維持するために講演活動や読み聞かせの育成講座などを行っています。その報酬を足して、何とか続けているとのことでした。

 

■27年間続けられた原動力は?

そんな大変な中も、27年間続けてこられた原動力を尋ねてみると、“3本の柱の信念がある”と古川さん。

(1)地域の子ども文化の向上
(2)子どもが安心していられる場所
(3)お母さんたちが安心していられるコミュニケーションの場所

この3つの信念があったからこそ、自信を持って続けてこられたとおっしゃっていました。実際「どうしてこんなに文庫に労力をかけるの?」と聞かれたこともあるそうですが、この3本柱を周りにも自身にも示すことで乗り越えてこられたそう。

続けることで、さらに周りの方から「頑張るのよ!」という声や、足を運ぶお母さんたちからの感謝の声もあり、原動力になっているとのこと。

筆者がお伺いした日も、何人かのお母さんが子どもを連れて訪れていましたが、そのお母さんたちに話を聞いてみると、「もう何年目だろう。上の子のときからずっと来ています」「何冊でも借りられるし、この子に合う本を選んでくださるのが本当にありがたい」とおっしゃっていました。

 

■古川さんおすすめ!「子どもにぴったり合った本の選び方」

愛知県犬山市『どんぐり文庫』

画像:大橋麻美子

『どんぐり文庫』が図書館と一番違うところは“1人1人に合った本を選んでくれる”というところ。そこで、そんな古川さんに“子どもにぴったり合った本の選び方”を教えていただきました。

(1)その子の好きなもの、ことを把握する

古川さんはまずの子どもと会話をして、その子の嗜好などを把握し本を選びます。女の子は興味のあるジャンルが広く、いろいろなものに興味があるそうですが、男の子は狭くて選ぶのが難しいそう。

それでも会話を進めていくと、本当に興味のあるものが登場するので、それに合わせておすすめの本を選びます。

また、図書館などで本を借りるときは、10冊のうち3冊は子どもに選ばせてあげましょう。選んだものから子どもの興味が分かるので、そこから興味を広げてあげることができます。

(2)その子自身の“読む力”に合わせたものを選ぶ

中でも大切なことは、その子自身の“読む力”に合わせたものを選んであげるということ。とはいっても、子ども自身が本を選んだ場合は、その気持ちを重視してあげてほしいとのことでした。

(3)「読みなさい」と読書を強制することはNG

本を借りたり買ったりしたはいいものの、子どもがなかなか読み進めない……というケースもありますよね。しかしそのとき、「読みなさい」と強制することはNG。

読ませたい本を目に届くところに置いておき「まだ読めないかなぁ~。読めないでしょ?」というと、子どもは「読んでやる!」そういった気持ちになるものです。

このとき、親も忙しいから全部読めないとしても、頭と結末だけは読んでおく。そして、中身は子ども自身に聞いて、親子で話すことが大切だとおっしゃっていました。

(4)“たくさん読む”より“しっかり読む”

愛知県犬山市『どんぐり文庫』

画像:大橋麻美子

もちろん、たくさん読めば何でもいい、というわけでもありません。

速読しても、すぐ忘れてしまったり語彙力が身につかなかったりでは意味がありませんよね。しっかりとした本を何度も読むことも大切と古川さんは語ります。

 

いかがですか?

みなさんがお住いの地域にも“文庫”があるかもしれません。文庫との出会いから、本と子どもつなぐ環境を見直してみるのもいいですね。

<番組情報>
大橋麻美子の教えてマミーゴ
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【画像】
※ 大橋麻美子

※ この記事は2018年7月時点の情報です。

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