CUCURU(ククル) > エンタメ > 球春!ドラゴンズ逆襲へのキーワードは?

球春!ドラゴンズ逆襲へのキーワードは?

画像:阿野陽 / PIXTA(ピクスタ)

2月に入り、プロ野球の各球団は一斉にキャンプをスタートさせた。

ファンにとっては待ちに待った季節である。シーズンに向けて、ご贔屓のチームがどんなスタートを切るのか? キャンプ地から毎日届くニュースに胸を躍らせる。

何よりもこの時期は、応援しているチームの優勝を宣言しても誰も文句は言わない。

ある意味で、ファンにとっては“言いたい放題”が許される、短くも楽しい日々でもある。

最も注目のキャンプ地便りは、今年の場合は国内からでなく海外からである。

北海道日本ハムファイターズが一次キャンプを行なっているアメリカのアリゾナ州スコッツデール。注目のルーキー清宮幸太郎選手が、背番号「21」のユニホームを初披露した。右手親指を痛めていて打撃練習は見送られているが、その一挙手一投足にファンの目が注がれる。

12球団で唯一、初めて采配をふるう新監督が誕生した千葉ロッテマリーンズ。沖縄の石垣島からは井口資仁監督の若々しい気合いの咆哮が伝わってくる。

セ・リーグでは、球団初の3連覇をめざす広島カープ、大谷翔平選手と同期である甲子園のスター藤浪晋太郎投手の復活が待たれる阪神タイガース、ドラフト1位で東克樹投手を獲得し着々と“左腕王国”を築く横浜DeNAベイスターズ、昨季の本塁打王を獲得したが先発陣のコマ不足解消がテーマの讀賣ジャイアンツ、そしてメジャーから古巣へ戻った青木宣親選手を起爆剤に最下位脱出を狙う東京ヤクルトスワローズ……いずれも話題豊富なキャンプとなっている。

そして、創設82年目を迎えた球団史上ワーストの5年連続Bクラスと低迷する中日ドラゴンズ。

昨シーズンの実績から見れば、その戦力はセ・リーグの中でも残念ながら見劣りすると言わざるをえない。2ケタの勝ち星をあげた投手は皆無、本塁打王のゲレーロ選手もジャイアンツに移籍してしまった。

現状で計算できる選手は投手野手を通してただひとり、大島洋平外野手である。もうひとり、去年の新人王・京田陽太内野手も挙げたいところだが、何といってもまだ2年目。プロ野球界には“2年目のジンクス”という伝統的な言葉があり、ここは慎重に構えたい。

球団トップの口からも毎年この時期には出ていた「優勝」という言葉はなく「Aクラス入り」という表現にトーンダウンしていることからも、チーム現状の厳しさがうかがえる。

ひとつのキーワードを念頭にして、ドラゴンズ浮上の課題について期待を込めて挙げてみる。そのキーワードが何か?は後ほど紹介する。

投手では、小笠原慎之介、柳裕也、そして鈴木翔太という若い“ドラフト1位トリオ”がどこまで勝ち星を積み重ねることができるか。

こちらもドラフト1位で入団し唯一1軍キャンプに選ばれた鈴木博志が“即戦力”として本人の希望通りにセットアッパーまたはクローザーとして機能するか。

岩瀬仁紀、山井大介、そして浅尾拓也のベテランが活躍できるか。

そして2018年キャンプの主役となっている松坂大輔が初のセ・リーグで復活を遂げることができるか。

捕手では、北海道日本ハムからFA移籍してきた大野奨大が、待望久しい“正捕手”の座に座ることができるか。

野手では、毎年期待されながらも燻り続ける高橋周平が、その打撃力から内野のレギュラーを奪い取るか。

選手会長になり進境著しい福田永将が“サード4番”という期待に応えられるか。

明るいキャラクターだが、なかなかシーズンを通して活躍できない平田良介がケガから復帰し「ドラゴンズ愛!」とヒーローインタビューで絶叫できるか。

新外国人選手であるアルモンテとモヤがホームラン35本を打ったゲレーロに代わることができるか。

3~4年前に社会人から入団し、若い背番号を付けながらも1軍に定着できない野手たちが、過去に同じ番号を背負ってきた大先輩たちに顔向けできる活躍ができるか。

そのキーワードは“大化け”である。

すべてがすべて化けることは無理としても、この内の1つや2つではなく、複数のポイントで“大化け”がなければ、ドラゴンズの今シーズンもきびしい戦いとなるだろう。

逆に“大化け”があれば楽しみにシーズンになる。

ペナントレースは“生き物”である。ぜひ“大化け”を積み重ねてもらいたい。

そのためには、このキャンプをどう過ごすかが勝負となる。

どの球団でもあることだが「今年のキャンプは例年と違って……」と練習強化の報を聞くと、「では去年は何をしていたの?」と思ってしまう。プロなのだから。

妥協せず、徹底的に満足できるキャンプを送ってほしい。

数々の指導者や名選手が口にしてきた言葉がある……「練習は嘘をつかない」。

キャンプ序盤に、ドラゴンズの北谷キャンプから届く話題は「松坂、松坂、松坂」だった。訪れるファンの数も、2,000人、3,000人、そして5,000人と日に日に増加。

「松坂が投げた」どころか「松坂が打った」ことも全国ニュースになる。これがスーパースターなのだとあらためて認識させられた。

注目を集めることはプロ野球の球団にとって大切なこと、「早くも松坂獲得の効果あり」と言いたいところだが、ドラゴンズというチームにおいては、去年秋のドラフトで入団したルーキーたちよりも最も歴史の浅い選手、“新参者”なのである。

これまでドラゴンズブルーを背負って戦ってきた選手たち、この現象をどう受けとめるのか? ここで悔しがらなくてどうする? 巻き返さなくてどうする?

今のドラゴンズにも名前を挙げてきたように素晴らしい選手が沢山いる。

これからのキャンプの日々で、話題の主役の座に名乗りをあげていってほしい。

その結果として次々と「大化け」を実現してくれる選手が増えてくるならば、それこそもう1つの大きな“松坂効果”となる。

【東西南北論説風(30)by CBCテレビ論説室長・北辻利寿】

【画像】
※ 阿野陽 / PIXTA(ピクスタ)