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ドラゴンズもっと目立ってよ!~新入団発表の会場より

画像:北辻利寿

プロ野球の新入団選手発表はいいものである。

ドラフト会議で指名され、これからプロ野球の世界に飛び込んでいく若い選手の夢と希望が、ほどよい緊張感の中で咲く。

11月27日に名古屋市内のホテルで行なわれた中日ドラゴンズの新入団発表会場では、育成を含む8人の若竜たちが真新しいユニホームに身を包み登壇した。

将来の夢について「首位打者」「奪三振王」「盗塁王」など次々と大きな目標が飛び出す。「清宮(幸太郎)選手から空振りを取りたい」という高校生投手もいた。

その志(こころざし)や良し。

「明るい話題は京田だけだよね~」……このシーズンオフ、周囲にいる複数のドラゴンズファンがほぼ同じような言葉を口にしている。現状まったくその通りだ。

5年連続のBクラスと低迷を続ける中日ドラゴンズだが、オフに入って正直あまり目立つニュースがない。

1年前は森繁和新監督が誕生し、最下位ながらもそれなりに話題にはなっていたと記憶する。

「だけ」と言われる京田陽太選手は、ルーキーイヤーの2017年、ショートのレギュラーとして活躍、セ・リーグの新人王にも選ばれた。

新人王発表直前の「アジアプロ野球チャンピオンシップ」でもスタメンとして優勝に貢献した。

ドラゴンズにとって待望久しい若いレギュラー野手だが、京田選手の後が誰も続かない。来季への胸ときめく話題が少なすぎる。

オフの大きなイベントである11月のドラフト会議を前に、来季に向けてドラゴンズが補強したいポイントを整理して、このコラムでも紹介した。

課題は多い。5つもあった。

(1)先発投手
(2)抑え投手
(3)正捕手
(4)代打の切り札
(5)スター選手

実は現時点、そのどれもがクリアされていない。

ドラフト1位指名で入団した鈴木博志投手はクローザーを希望しており、かつての与田剛投手(現・楽天コーチ)のようにルーキーでいきなり活躍できれば(2)は解決する。

ただ入団会見で森監督も「決めるのは監督である私」と明言したように、これから適性を見てからの話となる。

現在進行中のFA交渉で捕手を獲得できれば(3)もメドは立つ。

しかし、新入団選手を見渡しても将来はともかく(1)と(4)は未解決。さらに今のドラゴンズに実は最も必要な(5)、単なるスター選手でなく“全国区のスーパースター”を求めたいのだが、清宮幸太郎選手の指名を見送った瞬間に潰えた。

1位の抽選で“甲子園のスター”中村奨成捕手を広島カープに獲られてしまったこともそれに輪をかけた。逃した中村捕手が1年目から活躍できるかどうかはともかく、“クジを外した”という悔しさとマイナスイメージは残った。

京田選手は(5)を満たす選手になる可能性は十分にあるが、まだこれから先のことである。

なぜ“全国区のスーパースター”が必要なのか?

本拠地ナゴヤドームの入場者数は1試合平均の観客数が2万8千人余りと、ナゴヤドーム開場21年の歴史の中で、過去最低だった。

スポーツは1人のヒーローによって一夜にして構図が変わる。

勝つことはもちろん至上命題だが、5年連続Bクラスと低迷が続くチームには強力な“起爆剤”が必要なのだ。

沖縄には行かず、ナゴヤ球場だけで全日程を行なった秋季キャンプも、特に目立った話題もなく終了した感が否めない。

今オフのドラゴンズには何だか“凪”のような日々が続いている……。

オフの主役チームは、言うまでもなく北海道日本ハムファイターズだった。

全国区のスーパースター大谷翔平選手を米メジャーリーグに送り出し、そして同じく全国区のスーパースター清宮選手をドラフト1位指名の抽選に勝って迎え入れた。

ドラゴンズに先がけて行なわれた入団会見の会場はホテルなどでなく、札幌市の大倉山ジャンプ競技場。真っ白な白銀の世界での新戦力お披露目だった。さすがと言わざるをえない。

8人の若竜が加わったドラゴンズ、かくなる上は来季のペナントレースで主役の座を勝ち取るしかない。

そのために、選手たちすべてにはオフの日々を心して過ごしてほしいと願う。

Bクラスが続く球団史上ワースト記録は今なお継続中なのである。

オフの日々は短い。球春はあっという間に訪れる。

画像:北辻利寿

【東西南北論説風(21)  by CBCテレビ論説室長・北辻利寿】

 

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※ 北辻利寿