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椿鬼奴の全身真っ白な作業服姿で思い出す、きびだんご

画像:CBCテレビ『旅ずきんちゃん』

【コラム:ナゴヤ東新町 一五一会】

工場見学というのは、実によくできている。

私たち行く立場からすると、よく知っている商品の普段見られない製造工程が見られて、たいていの場合が無料で、かつ何かそこで食べさせてもらえたり、お土産をもらえたりして、半日くらいは楽しむことが出来る。

迎え入れるメーカーの立場で言えば、お客さんとの特別な接触点として、ブランドの認知度をさらに高め、親近感を持ってもらうことで類似商品と比べて店頭での優位性も高まり、お客さんからの生の声を吸い上げて本業に生かすフィードバック機能も兼ね備えている。

経済学部をギリギリの成績で卒業した私には、それくらいの長所しか思いつかないが、きっと専門家のサイトにはもっと色々とためになることが書いてあると思われる。記事のオリジナリティーを保つため、いつも何も調べずに執筆していて、ためにならず申し訳ない。

その工場見学。見学時間中は常に部外者の目に晒されながらお仕事に励む工場の皆様の中には、窮屈に思われる方もいらっしゃるかもしれないが、素人感覚では概ね「みんな得」と言ってもいいレベルである。

その手のことに、テレビはさとい。

工場のラインをリズミカルにモノが動いていく映像は、何となく見続けてられてしまうし、各メーカーが気合を入れた結果、しっかりエンターテイメントになっている見学者コースを出演者が巡ったり、そのモノを食べたり使ったりするだけで、これまた何となく見るには打ってつけのVTRが完成するのである。

かく言う自分がテレビ局で働いていたころも、八丁味噌など各種調味料、乳製品からビールまで、ネタに困ったら見学ができる工場へ取材に行き、連れのアナウンサーに「あとは頼んだ」とだけ言って、見学を楽しんでいた覚えが明確にある。

画像:CBCテレビ『旅ずきんちゃん』

15日深夜、名古屋のCBCテレビが制作・放送した『旅ずきんちゃん』も「工場見学ハカセが教えるディープな旅」と称し、まさにそんなロケだった。

番組で紹介されていたのは、『ガリガリ君』を作っている赤城乳業や、『プリッツ』を作っているグリコといった人気のお菓子メーカーの工場。

不惑を過ぎ、性格がねじ曲がったままアイスのように冷えて固まってしまった私は、「お手軽ロケ行って作っとるわー」とひねた見方をしていたのだが、最後に訪れていたのは通常見学を受け付けていないというマクドナルドの食品工場。

画像:CBCテレビ『旅ずきんちゃん』

ハンバーガーのお肉“パティ”の製造過程などを紹介していたのだが、衛生上、出演者の皆様にがっつりと真っ白な作業服を着てもらうなど、急に苦労感がにじみ出ていた。映っていないところも大変そうで、お手軽だなんて言ってごめんなさい。

なお大事なことなので記しておくと、出演者の中で椿鬼奴さんの全身真っ白な衛生服姿は最高に面白かった。

そんな、みんな大好き工場見学であるが、皆様はもし自身の高校の修学旅行がそれだったら、どう思うであろうか……。

他でもない自分が通っていた名古屋市立のある高校は当時、修学旅行の“伝統”だとして、岡山県内の各地へ班ごとに散らばり、それぞれが地場の何かを研究してくるという恐ろしく退屈な一日が設定されていた。

事前通告を受け呆然とする生徒の我々には「何を研究するか」の選択の自由のみが与えられ、どういういきさつだったかは失念したが、自分の班は『きびだんご』の工場見学に行くことになったのだった。

私立の高校に進学した中学の同級生たちが、同じ時期に修学旅行先のアメリカやオーストラリアで羽を伸ばしている一方、真っ白な作業服姿で、あま~い何らかの香りが漂う中、何らかの生地が入った巨大な入れ物の間を黙々と進み、必死でメモを取り続ける我々……。

「お兄ちゃんたち、手ぇ出してごらん」

出し抜けにそう言われて、声のした方を振り返ると、割とご年配のきびだんご工場の方がニコニコと立っていて、出来たてのきびだんごが手のひらいっぱいにどど~んと盛られた。

楽しい思い出ばかりの高校時代。しかし一番の思い出は奇しくもこの時食べた、切なくも旨過ぎるきびだんごの味だった。甘いものを食べて泣きそうになったのは、人生でこの場面だけである。

“修学旅行×見学”と言えば、かつてフジテレビがお台場に社屋を移転した時、お台場の街づくりの中心的存在として、立派な見学者コースを設けて大人気だった時期がある。

全国から訪れた児童・生徒たちがガラス越しにスタジオを見たり、運が良ければ芸能人に会えたりして、当時はたくさんあった人気番組のグッズをお土産として買って帰っては、家で見学中の話をしていたものだった。

先日、CBCテレビのご当地・名古屋にある他のテレビ局が新社屋を建てた名古屋駅南側の再開発地区で、街開きがあった。当日、そのテレビ局が社内見学会を開いたところ、なかなかの盛況ぶりで、その事態に驚いた局員さんもいらっしゃったという話を耳にした。

今のテレビ。その力を全盛期のそれと比べて過小評価しているのは、実はテレビ局の人自身なのかもしれない。

CBCテレビも、採用や番組観覧目的以外にも、視聴者との接点づくりとして、“番組の工場見学”をここらで始めてみてはいかがだろうか。

ちなみに、私は高校の修学旅行から20数年経っているが、きびだんごを買うとき、アレ以来ず~っと見学先のメーカーのものだけを選び続けている。

文/平岡敏治(ウェブ・ソーシャルメディアプランナー/ライター)

 

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10月15日(日)放送分
[配信期間] 10月22日(日)23時29分まで

 

【画像】

※CBCテレビ『旅ずきんちゃん』