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「私、これ好き~」尼神インターでビフォーとアフター

画像:CBCテレビ『旅ずきんちゃん』

【コラム:ナゴヤ東新町 一五一会】

このコラムは名古屋にあるTBS系列のCBCテレビによる配信記事だが、力強くテレビ朝日系の番組の話から入る。必要に応じて、空気を読まないことも時には大切である。

 

先日夜、ある特番を見ていた。一文でまとめると、家族の問題を家のリフォームで解決し、変化の度合いが著しい部分について「何ということでしょう」というナレーションが『水戸黄門』の印籠的に入って、住人がその出来栄えに感動して泣くという番組である。

そこにお笑い女性コンビ・尼神インターの渚さんが出ていた。金髪のほうの方だ。芸人さんになる前は大工さんだったということで、“匠”のリフォーム計画を実際に形にする作業の一部を担うようだった。

あ~ちょっとはそういうこと出来るのか~と半ば侮って見始めたのだが、すぐにそれが誤りだと気づいた。

渚さん、思いっきり大工さんなのである。

家の壁に無残に空いてしまった穴周辺の構造をすぐ見抜き、カッター片手にすいすいと板を切り出してぴったり穴をふさぐと、口にくわえた固定用のビスで電動ドライバーを使って固定。瞬く間に補修が完了した。

「何ということでしょう」これはナレーションでなく、私の心の声だ。

こんな意外かつ素敵な姿を見せられてしまっては、そういった類の作業に不慣れな男の私としては、渚さんの相方・誠子さんの持ちネタを引用すれば「私、これ好き~」状態である。

画像:CBCテレビ『旅ずきんちゃん』

その渚さんが8日深夜にCBCテレビで放送された『旅ずきんちゃん』にコンビで出演されていた。

もちろん、押しも押されもせぬ売れっ子さんなので、かねてからバラエティー番組で多く拝見してはいたのだが、「何ということでしょう」後で初めてお見掛けする渚さんから受ける印象は、やはりこれまでとは明らかに違うものだった。

収録中に躊躇なくビールを飲む姿は、かつてだったら「チンピラみたいで最も話が合わないタイプだ~」であったのが、「女だてらにグッと酒あおるなんてイカす!」となり、露天風呂にガニ股で入って来る姿は「普通にないわ~」から「照れ臭さから男っぽくしてるのがかわええわ~」となった。

まさに、ビフォーアフターである。

念のため申し添えると、もともとそのビールは渚さんの先輩であるバイきんぐの小峠さんが、熱海で露天風呂の横に座りながら飲んでいたもの。渚さんはバスタオル一枚の姿で風呂に浸かった状態だ。

トークに弾みをつけるために出演者が飲食店で酒を飲む番組が増えているが、見たところ、ただ外で飲んでいただけの斬新な演出である。ご丁寧に字幕スーパーで特別な許可を得て撮影している旨表示されていたが、確かにあの状況で酒が飲めるのは貴重で、たいそう旨かっただろう。

このところ、私は高アルコール・低刺激の生活が続いている。

モノを考えたり、何かを閃いたり、それらを形にして世に出したりするお仕事をする中、一人でホンネの自分と向き合う時間がいきおい増え、そうなった。

しかし、それ以外のヒト・モノ・コトに触れる機会・時間が極端に減り、驚くこと=心を揺り動かされることが少なくなってしまっているのではないか……。渚さんに対する自分の評価をめぐる一件でそう気付かされた。

ただ何となくテレビ番組を見ていただけで、ある人に対する見方がガラリと変わったということは、夥しい数の思い込みや勘違い、見落としを、私はその存在すら気付かぬまま放置して、のうのうと生きている可能性がある。

それによって損も得もあるのだろうが、放って過ごしてしまっているのは、うまく言えないが、何かもったいないなと感じた。そうだ、飲み屋行こう。

しかし、非リア充であるところの私は、ここからの初動に難がある。

スマホには“IDO”時代の携帯電話に登録した、もはや消息不明の方々のお名前と電話番号が並び、LINEの友だち欄ではちらほらと、見覚えのない皆さんが自らの平和の瞬間を切り取り、こちらに笑顔を振りまいていらっしゃる……。

とりあえず、お金という対価を支払うことで、多くの方々のお考えに触れられて刺激を受けることができる場所へ、これから向かうことにする。

近所の本屋である。

文/平岡敏治(ウェブ・ソーシャルメディアプランナー/ライター)

 

【画像】

※ CBCテレビ『旅ずきんちゃん』