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ナガシマが絶叫マシンどころか絶叫エリアになっていた

画像:CBCテレビ『旅ずきんちゃん』

【コラム:ナゴヤ東新町 一五一会】

名古屋エリアで遊園地といえばナガシマスパーランドである。この事実は、野球といえば中日ドラゴンズ、シャチホコといえば金色、コンビニおでんに付けるものは味噌、と同格だ。

ちなみにご当地から関東や関西の大学に進学した若人たちが迎える最初の秋冬シーズンにおいて、コンビニでおでんを買った時に「すみません、味噌ください」と店員さんに申し向けて「は??」という顔をされることは、一生の記憶として残りがちである。

話が逸れた。今回のコラムでナガシマ(注:アクセントは“ガ”)に触れるのは、17日深夜に名古屋の民放最古参・CBCテレビが放送した『旅ずきんちゃん』の総集編・絶叫ランキングが、ほぼナガシマスパーランド総集編となっていたからだ。

ナガシマは絶叫の聖地である。

画像:CBCテレビ『旅ずきんちゃん』

まず立地からしてすごい。木曽川と揖斐川に挟まれた細く長い陸地が伊勢湾をつつく先っぽにあり、とにかく先端が苦手だという方にとっては遊園地自体が絶叫ポイントに位置している。

つい先日車で訪れたのだが、車窓から遠く望むナガシマの偉容は、それ以外の視界のほとんどを占める田園風景によってさらに際立つ。

中でも、ひときわ目立つ木製ジェットコースター『ホワイトサイクロン』によって白亜の城郭のようにも見え、テンションが高まらざるを得ない。すでに絶叫に向けたチャージは車内から始まっているのだ。

広大な駐車場に着き、車のドアを開けると、充分にエネルギーを蓄えた男児・女児たちが歓喜の絶叫で何かを歌いながら、手をつないだ父親を引きずるようにして歩いている。『アンパンマンのマーチ』だ。そう、ナガシマには元気のない人々に自らの顔を食させることで知られる、あのパンのヒーローのテーマパークもあるのだ。先ほどの父親は早速食べたほうがいい。

入口に近づくにつれて、喧噪はさらに増す。大型バスから続々と降りてくるのは、中国を中心としたアジア諸国からいらした観光客の皆さんだ。

彼らはゲートからまっすぐ進んだところにある、大勢の家族連れやカップルたちで賑わう遊園地の入り口には目もくれず、何かを叫びながら右手の大型施設に突っ込んでいく。巨大アウトレットモール『ジャズドリーム長島』である。

地元民には『ジャズド』と呼ばれ、愛されるこのアウトレット。休日ともなると芋の子を洗うような人出となり、さらにセール期間が重なると祭りの最高潮みたいな雰囲気になる。

モール内はタイムセールの終了時間が迫っていることを知らせる店員さんの絶叫と、それに呼応するかのように高まるお客さんの熱気で、隣の人の声さえ聞きとりづらくなるほどの盛況ぶりを見せる。

だが突然、その全ての音をかき消すほどの轟音とともに「キャアアアアアアアア!!!」という絶叫が耳をつんざく。

画像:CBCテレビ『旅ずきんちゃん』

『旅ずきんちゃん』で訪れた絶叫ポイントのランキング1位に輝いた『スチールドラゴン2000』が、その混雑するアウトレットに突進してきてギリギリでかわしていくのである。

番組でそのコースターが最高高度97m地点から滑り落ちていくのを見たバイきんぐの小峠さんは「地獄みたいだ」と評していた。が、かたや遊園地、かたやアウトレットでそれぞれの非日常を満喫している皆さんが交錯するスポットであり、むしろ天国のような場所とも言える。天国と地獄が表裏一体なのは昼ドラだけではないのだ。

さて、ナガシマが絶叫の聖地であることをつづってきたのだが、そのメインである遊園地に入場することなく本稿を閉じる。

当方の構成力不足と絶叫マシンに乗るための度胸不足を深謝したい。

文/平岡敏治(ウェブ・ソーシャルメディアプランナー/ライター)

 

【画像】

※ CBCテレビ『旅ずきんちゃん』